ミャンマーとカンボジアの類似点と相違点

ミャンマー・セミナーとカンボジア・セミナーの講師を過去に務めさせて頂きましたが、両国には以下の共通点があります。

①両国共に大メコン圏(Great MEkong Sub-region)に位置する国であること、
②ASEAN10か国の中で後発加盟国であること(ミャンマーは1997年に、カンボジアは1999年にASEAN加盟を果たします)、
③労働賃金がASEAN10の中ではラオスを含めて最低水準にあり、労働集約型の直接投資策として有望であること、
④GDP per capitaがUS$1,000.-前後であること、
⑤国民の多くが仏教徒であること、
⑥親日的な国であること(大切な義務教育期間中に反日教育をしないこと)、
等、多くの共通点があります。

一方、異なる点も多々あります。
①ミャンマーは人口5,141万人(2014年国勢調査暫定数値)、カンボジアは1,431万人(2011年推定)と総人口では大きな開きがあり、
②ミャンマーの名目GDPの規模は日本の47都道府県で24位の山口県とほぼ同規模、カンボジアは47位の鳥取県を若干下回る規模と総人口の差に伴う経済規模に大きな開きがあること、
③一方で、現時点でカンボジアには日系企業が進出するのに適した工業団地が8か所あるが、ミャンマーには1か所しかなく空きがない状況にありティラワ工業団地の開業がまたれること、
等々の直接投資を検討する際には、両国のメリット、アドバンテージ、デメリット、ディスアドバンテージ、等々の比較検討が必要です。
1980年後半からのミャンマーを、そして1990年前半からのカンボジアを見てきた私にとっては、両国共に将来性ある国であることは確信しています。
業種により進出する際のタイミングも大きく異なりますので、十分な事前調査を実施することに加えて、他の開発途上国との比較検討も欠かせません。